名主の滝公園
名主の滝(なぬしのたき)は、江戸時代の安政年間(1854~1860)に王子村の名主「畑野孫八」が、その屋敷内に滝を開き、茶を栽培して、 一般に人々が利用できる避暑のための施設としたことにはじまるもので、 名称の「名主」はそこに由来しています。
この時期はさだかでは ありませんが、嘉永3年(1850)の安藤広重による 「絵本江戸土産」に描かれた「女滝男滝」が名主の滝に あたると思われますので、それ以前のことと考えられます。
庭園として造られたのは明治の中頃であり、畑野家から貿易商である垣内徳三郎の 所有となって、氏は好んでいた栃木県塩原の景に模して 庭石を入れ、楓を植え、渓流をつくり、奥深い谷のある 趣のある庭園として一般の利用に供しました。
昭和13年には、株式会社精養軒が買収し、食堂やプールなどが作られ公開され続けてきましたが、昭和20年4月の空襲により焼失し、ようやく東京都によって再公開されるようになったのは昭和35年11月でした。現在は区立公園となっています。
武蔵野台地の突端である王子近辺には滝が多く、かつて「王子七滝」と呼ばれる7つの滝がありました。このうち「名主の滝」だけが現存する唯一の滝となっています。
「名主の滝」は、都内でも有数の8メートルの落差を有する男滝(おだき)を中心とする湧玉の滝(ゆうぎょくのたき)、独鈷の滝(どっこのたき)、女滝(めだき)の4つの滝からなります。(写真をクリックすると大きな画像が楽しめます)
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これらの滝とケヤキ・エノキ・シイ、そして100本余りのヤマモミジが植えられた斜面を巧みに利用して自然の風景を取り入れた回遊式庭園です。
さらに、園内には渓流や池が随所にあり、盛夏の避暑には打ってつけの涼しげな景観をつくり上げており、うっそうと茂る木々に覆われ、野鳥のさえずりが響き、夏の蛍の観察会など、深山を思わせる都会のオアシスです。毎年11月頃にはヤマモミジも見事な紅葉をみせるなど、一年を通じて多くの人たちに親しまれています。
《開園時間》
9:00-17:00(7月15日~9月15日は9:00-18:00)
所在地
交通
※開園時間は午前9時から午後5時(夏期は午後6時まで)
入場は閉門の30分前までです。
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