「髪の祖神」関神社

王子神社境内の左側に、関神社の「毛塚」があります。 理容、美容業、かつら屋さんなどが髪の供養と恩返しから、昭和36年に建てたものですが、髪に悩む方も大勢お詣りされるようです。

この塚の建つ神社が「髪の祖神」として、蝉丸を祀っています。蝉丸といえば、百人一首のこの句でおなじみの「これやこの行くも帰るもわかれては 知るも知らぬも逢坂の関」を思い出されるでしょう。

20080111tokyo_jussha007keduka.JPG 関神社内の毛塚

 「蝉丸公」は延喜帝の第四皇子にして和歌が巧みなうえ、琵琶の名手であります。 髪の毛が逆髪である故に嘆き悲しむ姉君のために侍女の「古屋美女」に命じて「かもじ・かつら」を考案し、髪を整える工夫をしたことから「音曲諸芸道の神」並に「髪の祖神」と博く崇敬を集め「関蝉丸神社」として、ゆかりの地 滋賀県大津の逢坂山に祀られており、その御神徳を敬仰する人達が「かもじ業者」を中心として江戸時代 ここ「王子神社」境内に奉斎したのが、当「関神社」の創始なのです。

 昭和二十年四月十三日戦災により社殿焼失しましたが、人毛業界これを惜しみて全国各地の「かもじ・かつら・床山・舞踊・演劇・芸能・美容師」の各界に呼び掛け浄財を募り昭和三十四月五月二十四日に再建しました。

 20080111tokyo_jussha037keduka.JPG東京十社 関神社毛塚

毛塚の由来は、釈尊が多くの弟子を引き連れて、祇園精舎に入られたとき、貧女が自らの髪の毛を切り、油に変えて献じた光が、大突風にも消えることなく煌煌と輝き世に貧女の真心の一灯として髪の毛の尊さを永く言い伝えられた由縁です。


毛髪を取り扱う我々業者は毛髪報恩と供養の為に、昭和三十六年五月二十四日「関神社」境内に毛髪の塔を建立し永く報恩の一助としています。

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